5-デアザフラビン(TND1128)とは?注目のアンチエイジング成分を紹介!

近年、アンチエイジング分野で注目を集めている「5-デアザフラビン(TND1128)」。この革新的な物質は、私たちの体内で重要な役割を果たすミトコンドリアに作用し、若々しさと健康の維持に貢献する可能性を秘めています。

5-デアザフラビン(TND1128)とは

5-デアザフラビン(TND1128)は、リボフラビン(ビタミンB2)とよく似た構造を持つ補酵素で、近年アンチエイジング研究の最前線で注目を集めている化合物です。

5-デアザフラビン(TND1128)の体内作用は、ビタミンB2の働きだけではなく、体内でNMNから変換・合成される補酵素NAD(ビタミンB3骨格)が示す作用に非常によく類似しています。 この体内での働きは多岐にわたり、特に注目すべきなのが、ミトコンドリア、酸化還元酵素、サーチュインの活性化、NAD+の産生促進です。これらの作用により、全身の若返りや寿命の延長効果が期待されています。

なぜ注目されているのか

下図は体内のエネルギー産生の要であるミトコンドリアの構造と働きを示しています。ミトコンドリアは、私たちの細胞一つ一つにあるエネルギー工場とも呼ばれ、健康と若さの維持に極めて重要な役割を果たしています。

5-デアザフラビン(TND1128)は、このミトコンドリアの機能を改善する可能性があることから、高齢化社会の進展、予防医学の重要性の認識、そして個別化医療への期待など、様々な要因が重なり、関心が高まっています。

関連リンク:ミトコンドリア研究ページも合わせてご覧ください。

健康寿命の延伸への期待

平均寿命が延びる中、5-デアザフラビン(TND1128)は体の中のエネルギー工場であるミトコンドリアを活性化することで、より長く健康的に過ごせる可能性を秘めています。

美容分野での可能性

肌や髪の健康は細胞レベルの活力から生まれます。5-デアザフラビン(TND1128)によるミトコンドリアの活性化は、内側からの美容ケアという新しいアプローチとして注目を集めています。

予防医学としての可能性

NAD+という私たちの細胞に不可欠な物質は年齢とともに減少しますが、5-デアザフラビン(TND1128)はこのNAD+を効果的に増やすことで、年齢とともに現れる様々な不調を予防する可能性があります。

個別化医療への対応

個人の体質や生活習慣に合わせた健康管理が注目される中、5-デアザフラビン(TND1128)は柔軟に対応できる選択肢の一つとして期待されています。

5-デアザフラビン(TND1128)の特徴

5-デアザフラビン(TND1128)は、その独特の性質から、アンチエイジング分野で大きな注目を集めています。以下に、この革新的な化合物の主な特徴を詳しく見ていきましょう。

強力なNAD+ブースター

5-デアザフラビン(TND1128)の最も重要な特徴の一つは、体内のNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)レベルを効果的に向上させる能力です。従来の「長寿サプリ」NMNと比べ、より効果的にNAD+レベルを向上させます。

ミトコンドリア機能の直接的活性化

5-デアザフラビン(TND1128)は、ミトコンドリアの機能を直接的に活性化する効果があります。エネルギー産生の効率化、細胞全体の代謝機能の向上が期待できます。

多面的な作用機序

5-デアザフラビン(TND1128)は、単一の経路だけでなく、複数の生化学的経路に影響を与える可能性があります。NAD+増加だけでなく、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性化も促します。

5-デアザフラビン(TND1128)の期待できる効果

5-デアザフラビン(TND1128)は、エネルギー代謝の向上や細胞の若返りなど様々な健康上の効果が期待されています。

エネルギー代謝の向上

日中の疲れを感じにくくなり、朝はすっきりとした目覚めを実感できるようになります。また、運動時の持久力が向上し、日常生活での活力アップにもつながります。

細胞の若返りと修復促進

肌のハリやツヤが維持され、傷の治りが早くなったと実感できます。体全体の若々しさが保たれ、髪や爪の健康維持にも効果が期待できます。

代謝機能の最適化

体重管理がしやすくなり、脂肪燃焼が促進されます。基礎代謝が向上し、運動効果も高まることが期待されます。

妊活サポート

卵子の質が向上し、精子の運動性が改善される可能性があります。これにより受精率が向上し、全体的な生殖機能の改善が期待できます。

認知機能の保護と向上

記憶力が維持され、集中力が向上します。思考が明晰になったと実感でき、学習能力の維持にも効果が期待されます。

心血管系の健康維持

血管の柔軟性が維持され、血圧調整機能がサポートされます。心臓の健康が維持され、循環器系全体の機能向上が期待できます。

免疫機能の強化

風邪などの感染症にかかりにくくなり、体調を崩しても回復が早くなったと感じられます。アレルギー症状が緩和され、全身の健康維持により元気な毎日を送れるようになります。

これらの期待できる効果は、現在進行中の研究や初期の臨床試験結果から示唆されているものです。ただし、まだ研究段階にある効果も多く、今後のさらなる検証が必要です。

5-デアザフラビン(TND1128)の科学的根拠

5-デアザフラビン(TND1128)の効果や安全性は複数の学術論文でも報告されており、医師たちも注目しています。

5-デアザフラビン(TND1128)の学術論文での評価

京医科大学の工藤佳久名誉教授による論文

2023年1月、薬理学ジャーナルに掲載された研究では、5-デアザフラビン(TND1128)の画期的な効果が実証されました。

工藤 佳久
(東京医科大学 八王子医療センター 麻酔科)

NMN(点滴用試薬)との比較試験において、5-デアザフラビンは、その有効濃度から、点滴用試薬NMNの100倍の作用が実証されました。研究では、NAD+促進物質としてすでにNAD+の生合成を促進することが報告されているβNMNと、NAD+促進物質として合成されたデアザフラビンの作用を比較。マウス筋肉スライス標本を用いた実験で、細胞質内及びミトコンドリア内のCa2+の濃度の変動に対する抑制効果を比較評価しました。 投与後24時間後にSirt-1遺伝子が優位に上昇するとのデータを基に24時間後に効力特定実験を行った結果、βNMN及びデアザフラビンの両方が、極めて安定した生理学的反応を維持できることが示されました。特筆すべきは、5-デアザフラビンの方がその有効濃度から100倍強力であったことです。さらに、デアザフラビンは酵素性が高くきわめて安定な化合物であるため、今後の応用が期待されています。

(2023年薬理学ジャーナルより)

崇城大学の永松朋文特任教授による論文

オランダの生化学・生物物理学学術誌に掲載された研究では、ミトコンドリア活性因子としての5-デアザフラビン(TND1128)の可能性が詳細に検証されました。

研究ではサーチュイン遺伝子がミトコンドリアの機能を高めることで得られる複数の効果を検証。特に、テロメアやリボソームDNAでの転写を停止させるSirt2タンパク質は、NAD+の生合成を促進することで活性化され、老化防止効果が得られることが提唱されています。(Sirt2タンパク質=NAD+依存性ヒストン脱アセチル化酵素) さらに、マウスにNMNを添加した食事を長時間与えると、組織内のNAD+の産生が促進され、加齢に伴う生理機能の低下が抑制されることが報告されています。これらの結果は、NAD+がミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の第一段階や、TCA回路における酸化反応でのエネルギー生産に不可欠な物質であることと一致しています。 研究チームの実験では、βNMNは強い効果を示さなかったものの、5-デアザフラビン(TND1128)の効果は、βNMNの効果より顕著でした。

具体的には認知能や動脈硬化の予防や脂肪の燃焼、細胞の修復促進などの効果に加え、様々な脱神経疾患の予防・改善を含む老化防止への有効性が示されました。

  • 認知能や動脈硬化の予防
  • 脂肪の燃焼
  • 細胞の修復促進

※これらの研究結果は初期段階のものであり、人体での効果や安全性については、さらなる研究が必要です。また、これらの結果の解釈や応用については、専門家の見解を求めることが重要です。

安全性試験の実施

5-デアザフラビン(TND1128)の経口摂取において、体内動態試験、遺伝毒性試験の結果から、その高い安全性が確認されています。

5-デアザフラビン(TND1128)は新規物質であり、厚生労働者の食事区分、医薬品成分/非医薬品成分の、どちらの判断もされていないことから、補足事項として、食品としての使用実績を作るため、第三者機関にて以下の試験が実施されました。 

【マウスを用いた単回経口投与毒性試験】(ラット雌雄) 

  • 投与量:1,000mg/kg 体重 
  • 結果:異常なし(LDLO>1,000mg/kg)が確認されました 

【ヒトでの長期摂取評価試験】(120日) 

以下の項目について詳細な評価を実施: 

生理作用(脈拍、血圧値、酸内酸素飽和度)、抹消血流量、視力、肌質について詳細な評価を実施し、すべての項目において異常は認められませんでした。 

【国立大学にて体内動態試験】 

経口投与1時間後から24時間後まで、血液、肝臓、腎臓への分布状況の測定において詳細に追跡調査を行いました。 

3時間後は血液、肝臓、腎臓、脾臓の分布量が最大し、 24時間後にはほぼすべて排泄され、体内に残留しないことを確認されました。 

【遺伝毒性試験の実施】 

複帰突然変異試験、小核試験の両試験において、デアザフラビンに全く毒性がないことが確認されています。 これらの包括的な安全性試験の結果から、製造者責任の元、食品としての使用が認められています。特筆すべきは、体内での代謝が速やかで24時間以内にほぼ完全に排出されること、また遺伝毒性が皆無であることが科学的に実証されている点です。

※これらの研究結果は初期段階のものであり、人体での効果や安全性については、さらなる研究が必要です。また、これらの結果の解釈や応用については、専門家の見解を求めることが重要です。

関連リンク:5-デアザフラビン(TND1128)に関する専門家の見解については「専門家の見解」ページも合わせてご覧ください

まとめ~5-デアザフラビン(TND1128)の可能性~

5-デアザフラビン(TND1128)は、アンチエイジング分野に新たな可能性をもたらす成分として注目を集めています。NAD+レベルの向上とミトコンドリア機能の活性化を通じて、健康寿命の延伸に貢献する可能性があります。

ただし、どんなに優れた成分でも、それだけでは奇跡は起こりません。5-デアザフラビン(TND1128)の効果を最大限に引き出すためには、バランスの取れた食事、適度な運動、質の良い睡眠など、健康的なライフスタイルとの併用が不可欠です。

5-デアザフラビン(TND1128)を含むアンチエイジングケアは、総合的な健康管理の一部として位置づけることが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、自分に合ったアンチエイジング戦略を構築していくことをおすすめします。

この記事の監修者

医療法人社団正定会 廣瀬クリニック/六本木わかばクリニック

廣瀬 能華

杏林大学医学部医学科卒業。

同大学医学部付属救急総合診療科にて救急対応や総合内科医として研鑽をつんだ後、美容皮膚内科医、心療内科医、産業医として幅広く活動中。

最新の栄養医学にも精通しており、食事や栄養学面からのアドバイスも実施している。

多くの著名人からも絶大な指示を得ており、予防医療、予防美容、保険診療に足繁く通われている方も多い。

日本美容皮膚科学会正会員/日本抗加齢医学会専門医/日本内科学会正会員・認定内科医/産業医/サーマクール認定医

Q&A

Q5-デアザフラビン(TND1128)の副作用について知りたい。
A

5-デアザフラビン(TND1128)は、体内動態試験、遺伝毒性試験において高い安全性が確認されています。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 個人の体質や体調により反応は異なる場合があります
  • 医薬品を服用中の方は、医師に相談することをお勧めします
  • 妊娠中・授乳中の方は、専門家に相談の上でご使用ください
Q5-デアザフラビン(TND1128)はNMNとどう違うのですか?より詳しく教えてください。
A

主な違いは以下の3点です。

1.作用メカニズム

  • 5-デアザフラビン(TND1128):直接NAD+として機能
  • NMN:体内で変換が必要

2.効果の強さ

  • 研究では、5-デアザフラビン(TND1128)はNMNの約100倍の効果が確認されています。

3.吸収効率

  • 5-デアザフラビン(TND1128):直接利用可能な形態
  • NMN:体内での変換プロセスが必要
Q5-デアザフラビン(TND1128)は白髪や腎臓への効果はありますか?
A

研究により、以下のような可能性が示唆されています。

  • 白髪:細胞の若返り効果による毛髪の健康維持をサポート
  • 腎臓:ミトコンドリア機能の改善を通じた腎機能のサポート

※これらの効果には個人差があり、さらなる研究が進められています。